蓄音機は楽音を留め、磁気ディスクは記憶を刻み、カメラの閃光は瞬間を切り取る。しかしどれも、時計の針が刻み続けるのを止められない。宇宙飛行士は太空に辿り着いたが、宇宙の広大さは無音の深淵と共にあり、光速という壁――時間こそが地球と異星を隔てる障壁だと気付く。光円錐の内側、それはまさに相対性理論の檻であった。
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