Artist's commentary
何を…言っているんだ このマイハウスは…
はぁ。
流石に一晩中の都市開発には疲れました、ね。
ドバイの素晴らしい景観に興が乗り、さっそくホテルに篭ったはいいものの、これではバカンスに来た意味がありません。
あなたの治水で、私の路という路がすっかり湿ってしまったわ。
別に文句があるわけじゃない。
あなたの公共事業の手並みはなかなかのものでした。熟練の職人ならではの巧みな技術だった。
今まで、相当数多くの案件を扱ってきたのでしょう。あなたの手腕には、経験の豊富さによって培われた自負を感じました。
その……かっこよかったです……よ?
流石は私の神官、と言っておきましょう。
私の身体のメンテナンスをするあなたが、素人とはいただけませんから、ね。
まさか私の土地の資源の方が先に足りなくなるなんて…
恥ずかしいので、作業中、私が一時ロックダウンしてしまったことは言いふらさないように。
都市としての沽券に関わりますから、ね。
ともかく、都市開発は一時中断です。
情熱的に、おせっせと。
これはカルデアでも出来ます。
そろそろプールに向かうとしましょう。
あなたが苦労して自分のものにした、夢の表札付きマイホーム。
有象無象の哀れな賃貸住みたちへ、存分と私の建築美を見せつけるといいです、よ。
水着もあなたが見繕ったものを着てあげます。
あの鶴に私のスリーサイズを知られるのも癪ですし、測量作業は神官であるあなたが行ってください。
一晩中の肉体労働で体感的には理解していただけたかと思いますが、神官であるあなたには具体的なデータでも、私という永住地を理解する義務と責任があるのです、よ?
つまりは勉強です。勉強。
頭を使います。
お馬鹿さんであるあなたには大変だと思いますが、頑張って覚えてください、ね。
もちろん、私が隅から隅まで教えてあげる。
だからしっかり触れて、しっかり測って。
まずは標高を測ってください
水準点からの計測も忘れないで。
無駄なく大きすぎず、理想的なサイズのはずです。
終わったら次は外周です。
知っての通り、私は水上都市ですから。
思ったより広いね、なんて言ったら怒ります、ね。
門の大きさには割と自信があります。
ちゃんとエンブレムもありますし、私が成熟した立派な都市である証です、ね。
そう。
上手ですよ。
測量も、手慣れているようです、ね。
ほんと、今までどんだけ多くの経験を積めばこんなに上手くなるの……アステカの優秀な測量士だって、これほどじゃなかった。
現代の特別な間柄の男女は、下着類を送り合う。
兄様が仰っていた文化ですが、あなたもそうしてきたの? 彼女さんへの贈り物は衣類だった? 心臓じゃなく?
そうですか。今もたくさんの女性サーヴァントにプレゼントしていると。成程。
チッ……
なんでもありません。
では、これからは私にも、定期的に衣服を献上するように。
あなたの磨かれたファッションセンスを見せてもらいましょう。これは水着にも大いに期待を持って臨めそうです……ね?
ちなみに私は、あなたが妻帯者を持つことに不満はあれど否定はしません。
住民は多ければ多いほどいいもの。
錯乱して壁や天井を破壊でもしない限り、大いに沢山の女性を招いて、ガンガン人口爆発に努めるといいです。
整備する人間がいなくなって廃墟に、ましてや取り潰されて埋められるとか……そんなのもういや!
……こほん。あなたの場合、その辺に苦労はないでしょう、ね?
まさに理想的な神官と言えます。
……となると、問題は私の方か。
家族が増えていくとなると、流石に今の一戸建て程度の広さじゃ手狭そう、ね……
……ねぇ、トラマカスキ。
あなたがどうしても現状に不満があると言うのなら、領地の拡大もやぶさかではありません。
そう、あなたの得意分屋。
日本人であるあなたにはお馴染みのことでしょう?
つまりは『国産み』。
あなたの天沼矛で、新しい土地の隆起だって許してあげる。
ねぇトラマカスキ……
はい?
さっきから、私が何を言っているのかわからない?
はぁ……(心底からめんどくさそうなため息)。
トラマカスキ。
本気で言っているのですか?
それでも私のトラマカスキですか?
他の女の子から鈍い、空気が読めないと言われても知りません、よ?
では特別に、文字通り、手取り足取り教えてあげる。
プールに行くのはやめです。
続きをしますよ。トラマカスキ。
今日は、公共事業予算が底をつくまで出られると思わないことです……! ね……!!
………
絵を相当あげていなかったので恥ずかしながら相当前に描いて出さなかったやつを出しておくとします。
文章メモからサルベージするのに手間取った…
自分は今後も気ままに絵をのんびり描いていきますので更新は気長にお待ちください
