「『リグル・ナイトバグ』は体長130～150cmの人間の少女に似た容貌・体格をした、蛍の変異体とされる人型妖怪です。
当該個体は特別観察区域J-04、通称『幻想郷』に生息する他生物変異性妖怪のモデルのひとつとして観察対象にあります。
（中略）
繁殖期に入ると、当該個体は汗腺や尿道口からフェロモンを分泌します。
この分泌物質はリリーサーフェロモン（行動誘発性）とプライマーフェロモン（内分泌促進性）双方の働きをなします。
人間及び人間型の妖怪の雄に対して当該個体の所在地を知らせると共に強い性的興奮作用を及ぼし（つまり一般的な昆虫の性フェロモンと同じ）、
同時に雄の精巣に働きかけ、精液の分泌を顕著に促進させる効果があります。
このフェロモンの効果により、繁殖期においては当該個体が（しばしば複数の）人間及び人型妖怪の雄による交尾行動に晒されている光景を頻繁に目撃することが出来ます。
交尾中の雄はフェロモンによって非常な興奮状態にあるため、その交尾行動は観察者から見て強姦、乃至輪姦とも言えるものになりがちです。

映像は今季の当該個体繁殖期における複数体の人間の雄との交尾の様子を撮影したものです。
この映像が撮影される以前に、当該個体は今季既に少なくとも４回、計７体の人間及び人型妖怪の雄による交尾行動に晒されていることを付記します」

―――研究者∪