Artist's commentary
夏の思い出
忙しDAYだった!!!
というより(私の場合)ペン入れ期間は「明日の自分を助けてやるぜ!」って心理になりやすく、翌日のノルマにまで手をつけ始めてしまうから勝手に忙しくなってるだけ。
そういえば、6月中旬ごろに地元の新聞に大室家の記事を載せていただいたとき、同級生から「載ってたよー!」と連絡をもらった。
高校時代1番仲が良かった子で、いつもニコニコしていて明るく、ずーっと楽しいことしか言わない人。
その子はオタクではないのだけど、私がコミケ行くというと東京まで一緒についてきてくれた。
コミケが終わってホテルに戻り、それぞれがシャワーを済ませる。私は戦利品を読んでいたので2番目に入った。
シャワーから戻ると、いつもニコニコしている友達がその時は真顔でベッドに座っていた。私と目があって、少しだけ作り笑いをした。そして「今日はもう寝よ」と友達が布団に潜っていく。違和感を覚えながらも、私も疲れていたのでその日はすぐに寝た。
翌朝になっても友達の様子は変わらなかった。いつもより明らかに口数が少ない。どうしたのと聞いても、「なんでもない〜」と作り笑いをする。
まだ朝8時だけど特にやることもないし、もうチェックアウトしてどっか行こうという話になり、荷物をまとめてホテルを出る。
駅はホテルから徒歩数分。電車の窓からは自分たちの泊まったホテルが見えていて、段々と小さくなっていく。
そしてホテルが見えなくなったあたりで、友達が「あのさ」と口を開いた。
「昨日シャワー浴びてる時さ、鼻歌とか歌ってた?」
いや、歌ってない。
「そうだよね。なもりの声じゃないなってのは私も分かった。でも浴室からずっと鼻歌聞こえててさー」
「もしオバケだとしたら、その場でこのこと話すのあんまり良くない気がして、ホテルから離れてから言おうと思ってずっと静かにしてた〜!怖かった〜(笑)」
と笑った。
その鼻歌は単に他の部屋から聞こえてきていただけかもしれないし、隣の部屋のテレビの音とかそういうのだったのかもしれない。
私にはその鼻歌は聞こえなかったし、なにも変わったことはなかったが、
いつもニコニコしてて明るく、他人を怖がらせるような冗談を言わない子が突然真顔でこういうことを言うのは、かなりゾクリとした。
というのを思い出した。
